メイド バイ オキュパイド ジャパン
メイド イン オキュパイド ジャバン、だったか、
ただ単に オキュパイド ジャパン、だったか、庵主の記憶は定かではない。
オキュパイドというのは占領下にあるという意味である。
終戦後の国産品にはそう表示されていた商品があった。
たしかにそういう屈辱的な表示がある商品を見た記憶がある。
国内で売る分にはそういう表示する必要がないから輸出品のための表示だったのか。
戦争に負けることが惨めなものであることを、今お酒を呑んでいて知るのである。
昭和24酒造年度というのは、
わが国の歴史上はじめて三増酒が造られた年である。
それは後年、呑み手から轟々たる非難を浴びることになる酒だった。
酒造りが、伝統的手法から革新的手法に変化した年だったのである。
古い上着よさようなら、だったが、こんどのはペラペラの上着だったのである。
最初は暫定的のつもりだったのだろうがそれがいつのまにか本流になってしまった。
そういう造りに慣れた杜氏がまっとうなお酒を造れなくなってしまったからである。
こと日本酒においては今でも占領下のお酒を呑まされているようなものなのである。