別の時
あれは人間が聞く音ではないと庵主は思っている。
それをいい音だと思って聞いている人は音楽を聞いているのではなく、
ただ音を聞いているだけなのである、いうなれば普通酒で満足できる人なのである。
音楽とはその心を聞くことであって、音質の善し悪しを聞くことではない。
オーディオマニアが馬鹿にされるのは本末転倒なふるまいがおかしいからである。
音楽を聞くのではなく、再生音の善し悪しにこだわるから
興味がない人がその話を聞くとただただおかしいのである。
部屋にスピーカーを合わせるのでない、スピーカーに部屋を合わせるのだという。
足に靴を合わせるのではない、靴に足を合わせるのだという旧陸軍の話と同じである。
雑音まじりのレコードを聞いて深く心を打たれたのに、
音は確かにきれいなCDではその感動がないというのは音が間違っているからである。
普通酒はそのデジタル録音であり、特定名称酒は心に響くアナログ録音である。
メリハリのない味わいが好きな人には普通酒の雑味すらない無難な味がいいのだろう。
雑音がまじっていてもいいから心に響く味わいを求めるには特定名称酒である。
音だけ聞いていればいいという人は普通酒、いい音を求めるときには特定名称酒である。
