ノンアルコールビールの需要
庵主一人だけがそれを呑めないというのはなんとなく寂しいのである。
昼食時にみんながビールを口にしているのに庵主はそれが飲めないのである。
なぜなら、すぐ顔が赤くなるからその後仕事にならないからである。
べつに一杯ぐらいのビールで酔っぱらうことはないが、
仕事のときに顔を赤くしているのは塩梅が悪いからである。
また、ほんとうにアルコールが飲めない人もそういうときに飲むものがない。
しょうがなくてウーロン茶を飲む人がいるが庵主はウーロン茶が大嫌いなのである。
庵主が最初に出会ったウーロン茶が安物だったから、
それは貧乏人の飲物にしか見えないからである。
そういうときに、メニューにノンアルコールビールがあると
うっかりそれを頼んでしまうのである。
それが間違いのもとである。
なぜならそれはめちゃくちゃまずいからである。
酒はうまくなくてはならない、と庵主は思っているからそれは偽物以外の何物でもない。
ノンアルコールビールは今はビールテイスト飲料と呼ばれるがそれもまた虚名である。
