いまどきの若い者は
そのセリフは実はそう言ったご本人に戻ってくるのである。
その年寄りが若い者にきちんと物事を教えてこなかったということだからである。
ようするに年寄りはまともに物事を教えることができなかったということなのである。
自分の不徳を喧伝しているようなものである、噴飯物である。
その若い者というのが孫の年頃に当たる年代をいうのなら、
お年寄りが、その子の親の世代にしっかり物事を教えなかったということである。
冒頭のセリフは「今時の年寄りはろくなものじゃなかった」という意味にほかならない。
テレビ番組で女子高校生に料理の作り方を聞いてその答えが間違っているのを見ながら
ゲストの有識者がその無知を笑うという娯楽番組があった。
魚を三枚に下ろせと言われてそれをおろし金でおろしはじめた女の子に(ヤラセか?)、
今の若い子はなにも知らないんですねとしたり顔でいう有識人には笑ってしまった。
そういう人に日本酒のことを聞いたみたらたぶんほとんど知識がないはずである。
そもそもお酒(アルコール)はどうやって造るのか、答えられるのだろうか。
その無知をもって有識人は何も知らない人間だといって嗤うことができるのか。
ただ、それまでは必要がなかったからそれに関する知識がなかっただけのことなのである。