呑まずぎらい
なんらかの悪い先入観があって食べる気が起こらない状態のことである。
見た目が自分の好みではなかったりしてそれを見るのもいやなことがある。
あるいはかつてそれを食べてひどくまずかったからという理由によることもある。
日本酒はまずいといって呑む気が起こらない人は呑まずぎらいというべきか。
その多くは初めて出会ったお酒がひどくまずかったからなのだろう。
あるいは、お酒の呑み方を間違っていて悪酔いしてしまったからか。
お酒を呑むことがいやな記憶と結びついてしまったのである。
身近にいる人がお酒を呑んでみっともない振る舞いをしているのを見て
ああはなりたくないという嫌悪感から避けているということもあるかもしれない。
一番不幸なのは、それを呑む前に、本などで悪口を先に読んでしまい、
間違った先入観を抱いてしまったときである。
庵主が劇団四季を見たいと思わないのもうっかり悪口を先に読んだからである。
悪口を言われるほどに人気があるのだからその芝居は本当は面白いのだろうが、
ことお酒の世界では大手酒造メーカーが造っている酒は呑むまでもないというのが
経験則だから、ついそれになぞらえてしまったのである。