お酒を呑むかアルコールを飲むか
いや、より贅沢になってきたといったほうがいいか。
酒呑みの道を外れてしまっているのである。
ひたすらお酒のうまいという感動を求め一口の悦楽を求めるようになったからである。
うまくもなんともないお酒には興味がなくなったからである。
もともとアルコールを飲んで酔っぱらいたいという気持ちがなかったのである。
お酒を口にして酔いが回って来るまでの十数分たらずが庵主のいうお酒である。
だから2杯目はいらないのである、うまいお酒をちょっとだけ味わいたいのである。
呑んで酔いを楽しむというのが酒呑みの正道だろう。
酔うためだけなら安いアルコールで十分なのである、うまいまずいとご託はいらない。
ことアルコールに関しては安いから悪いということはないのである。
アルコールは安い方がきれいなのである、ただその味わいがつまらないだけなのである。
庵主がいうお酒というのは呑んだときに心にしみてくる味わいのことをいう。
それも酒とはいわれているがただのアルコール飲料は体を酔わせるだけの飲物である。
味わう酒呑みと酔いたいアルコール飲みはどちらも酒を呑んでいるように見えるけれども
求めるものが異なっているということなのである。