「車坂」
鳥取とか島根とか佐賀とかである。
和歌山もその一つである。
庵主にとってはうまいお酒を送ってくれる大切な県ばかりなのであるが。
たしかに、お酒でも呑まなければ、和歌山県とは庵主も接点がなかったのである。
紀州の梅干しがあるとはいうが、今多くの梅干しの原産地は中国(支那)になっている。
その和歌山から「車坂」(くるまざか)がやってきた。
「車坂」がうまい酒だという評判は聞いていたがなかなかめぐりあえなかったのである。
が、ちゃんとそれが呑めるようになるのだから身の幸せを感じるのである。
純米大吟醸(精米歩合50%)、和歌山産山田錦100%、うすにごり、生酒である。
辛口であるとラベルには書いてあるが日本酒度の表示はない。
呑んでみるとたしかに辛口のようであるが、それが甘いのである。
普通の辛口を謳うお酒は甘みを切って辛口と称しているから庵主には呑めないのである。
そんな焼酎まがいのお酒なんかうまくもなんともないからである。
ところがこの「車坂」は甘味をしっかり残して切れがいいから気持ちがいい辛口である。
うまいという一線を越えていて技を感じるいいお酒である、同じ蔵の「鉄砲隊」もうまい。