虚偽表示
本醸造酒(アルコールをまぜた清酒)や普通酒(アルコールを大量に添加した清酒)を
日本酒だと強弁することも虚偽表示といっていいだろう。
ただしそれらの酒の酒質のよしあしやその味わいのうまいまずいを言っているのではない。
さすがに、日本酒に少しアルコールを混ぜたものではなく、
その反対のアルコールに日本酒を少しだけ混ぜた酒は日本酒と呼ばないことになった。
呑み手が知らないところで、そういう変更がいつの間にか行なわれていたのである。
虚偽表示というにふさわしい、いかがわしいやり方がまかり通っているということである。
酒類はその造り方から大きく三つに分類される。
醸造酒と蒸留酒と混成酒である。
醗酵によって造られた酒が醸造酒、それを蒸留したのが蒸留酒や醸造アルコール、
アルコールの中に果実や他の酒類等をまぜた酒をリキュール(混成酒)という。
日本酒は本来は米から造る醸造酒なのである。
それに醸造アルコールを混ぜたらリキュールということになるが、
酒税法はそういうものまで清酒という範疇で括ってしまったのである。
清酒、すなわち、いわゆる日本酒はそれから玉石混淆となってしまったのである。