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退屈しのぎのお酒

花の生涯、というテレビ番組があったのは
かなり昔のことだったろう。
庵主は
ここ三十五年間はテレビを見ていないからそれ以前のできごとだと思う。

巨星墜つ、という見出しで飾られる人がいる。
きっと充実した人生を送った人に違いない。
少なくても多くの人に影響を与えた人なのだろう。
多くの人に指針を与えた人なのである。

人間が一番怖いことは何かというと
退屈なのだという。
退屈をいかに紛らわせるか
退屈をいかに忘れるかが行動の原理なのだという。

眠っているときは退屈を感じないから
人間にとっては幸せな時間なのである。
やたらと忙しそうにして生きている人が
いまはぐっすり眠りたいと言うことがある。

仕事で我を忘れて
ぐっすり眠って自分を忘れているとしたら
その人はいったい
いつ生きているのだろうか思ってしまう。

人間が生きるということは
退屈との戦いなのである。
子供の時分は遊び回ることで退屈を感じなかったのに
大人になると退屈の時間が増えてくるのである。

いい仕事をした人というのは
退屈からの逃避が上手だったということになる。
周囲に退屈をつぶしてくれる人や事件に恵まれ人が
花の生涯なのである。

さらに他人の退屈を紛らわせてくれた人が
巨星なのだろう。
自分一人の退屈しのぎにも苦労しているというのに
人の退屈まで紛らわせてくれる人は偉大なのである。

ようするに人間とは
時間つぶしに精を出す生き物なのだという。
庵主もまた
今こうしてワープロをいじくって我を忘れて暇つぶしをしているのである。

庵主の場合は
退屈しのぎに言葉を弄ぶのである。
自分は花粉症でそのときにはいつも鼻がつまっているから
まさに鼻の障害である、と。

若き日は自分では多少は人様の役に立つ人間かと思って
今後の活躍にご期待くださいと虚勢を張っていたが
今になればべつにいてもいなくてもいい人間であるということがわかって
いまじゃ虚勢墜つであるとか。

実はお酒というのは最高の退屈しのぎである。
呑むとあっと言う間に時間が過ぎていく。
ほんの一時間ほどと思って呑みはじめたら
気がついたら終電が終わっていたということは再々である。

そしてきれいに酔える体質なら
最高にうまい退屈しのぎなのである。
しかも適量で嗜めば
体によろしい退屈しのぎなのである。
by munojiya | 2005-06-06 22:51 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya