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ラブストーリー <二本立興行>

数あるお酒の中からその一本を手にとってもらうためには、
そのお酒にストーリー(神話)が必要なのだという。
「越乃寒梅」とか、「久保田」とか、「上善如水」などはそのストーリーが上手だったのだろう。
庵主が呑んでいるお酒もまたそのストーリーに心ひかれたお酒なのである。

中には、大手酒造会社のお酒はまずいというマイナス(裏の真実)のストーリーもあるが、
とにもかくにもストーリーがないお酒では呑むキッカケがないというわけである。
贔屓のお酒というのは、まさにラブストーリー(贔屓の引き倒し)なのである。
呑み手の心をくすぐる甘い物語なのである。

それは快感そのものだから、ここちよいのである。
そのお酒に恋をしているからうまいのである。
いや、逆か、まずいと思ったお酒には愛を感じないのである。
このお酒がうまいといって褒めるのはストーリー作りなのである。

決まり文句の、いい米・いい水・いい風土で造ったお酒には、庵主の心は動かない。
庵主の心が動くお酒は、そこに技が感じられる酒である。
いい絵の具を使えばいい絵を描けるというものではないように、原料もさることながら、
お酒もまた造り手の技によるのである、造り手の気合がこもっているお酒がうまいのである。
by munojiya | 2008-11-27 14:04 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya