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甘い誘惑

お酒は甘いものなのである。
甘いといっても砂糖のような甘さをいうのではない。
砂糖の甘さは子供でもわかる舌を刺激する甘さである。
お酒の甘さは心に滲みる甘さなのである。

心に滲みるとはいってもそれはブドウ糖の甘さなのだが、
燗を付けたお酒をちょっと冷めた頃に口にするとほんのりと甘みを感じるものである。
砂糖のように明確な固い甘さではなく、舌にじわーっと滲みてくる柔らかい甘みである。
それはまさに甘露である、甘い、は、うまい、なのである、心がとろける甘さである。

庵主は山葵の甘さが好きだ。
鮫皮でおろした山葵の、ツーンと来る前の最初の一舐めの甘さがいいのである。
山葵は実は甘いのである。
そして、味噌が甘いのである。

味噌はしょっぱいものだが、しかしアミノ酸がよく出ている味噌は舐めてみると、
初めは塩辛く感じるものの、そのあとにじんわりと甘さが滲(にじ)み出てくるのである。
そして、塩が甘いということも付け加えておかなければならない。
いい焼き塩の余韻はしょっぱいでなくて、甘いのである。
by munojiya | 2009-01-27 02:17 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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