真っ当なお酒とは、薬を使わないという見識である
病気は本来その体が自分で治すものである。
薬に頼るとそれがないと生きていけなくなるのである。
常に薬を打ちつづけなければならない状態を不健康といっても間違っていないと思う。
不健康というより、不自然だと見るのが穏当な見方ではないだろうか。
庵主はそう考えるということである。
案外、薬漬けでも生きつづけることが肝心なのだという考え方があるかもしれないが。
薬は有効成分を抽出したものである。
お酒の成分を分析して、その成分を組み合わせてお酒を造ろうというのが合成酒である。
似たようなものはできるが、それが、まずいのである。
その「まずい」は、「哀しい」という感情を引き起こすのである。
その哀しさは「惨めさ」を呼び覚まし、ついには「むなしさ」に至るのである。
アル添酒というのは、醸造アルコールという成分をお酒に添加したものである。
いうならば、お酒に薬を加えたものである、健康酒ではないということである。
化粧という意味では、女性の香水と同じであるが、いくらいい香水を使っても、
元がよくないものは決して美しくならないのである、そういう女の人が好きですか。