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本醸造酒が本醸造でなくなる瞬間

長くお酒を嗜んできた庵主にはお酒に関するいくつかの経験則がある。
パッケージが美しいお酒にうまい酒はない、とか、
大手の酒造会社が造っている酒に呑める酒はない、とかである。
そして、本醸造酒は2杯目は確実にまずく感じるというのが今日のネタである。

最初に冷えて出てきた本醸造酒はうまいと感じるのである。
しかも、それがその日に呑む最初の一杯ならついお酒に好意的になっているから
多少ひどいお酒であってもうまく感じるのである。
ところがその2杯目は、酒になじんだ舌がアルコールを感じてしまうのである。

お酒のうまさは、アルコールに乗っているうまさの部分にある。
アルコールのうまさではないのである。
それなのにアルコールが先に感じられるとお酒のうまさが沈んでしまうのである。
アルコールがうまいという人はアル中で、お酒ではなくアルコールが好きなのである。

庵主はお酒のうまい部分を味わいたいのである。
そのうまさを感じることができる幸せを味わいたいのである。体ではなく、心で酔いたい。
いい本醸造酒はアル添のはずなのに、2杯目でもアルコールを感じさせないのである。
本醸造酒という造りの呪縛を超えて、お酒本来のうまさを実現したお酒なのである。
by munojiya | 2009-03-27 01:17 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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