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うまかー

庵主は、古い人だから、ご飯粒は一粒でも粗末にしてはいけないと躾けられた。
だから、弁当が出てきたら蓋についている米粒から食べるのである。
それをみっともないと言う人がいたら、なに見栄はってるんだと全然平気である。
ご飯を残す人を馬鹿にするのである。もろちん顔には出さないが。品格はないのか、と。

食い物をまずいと言ってはいけないのである。
まずそうに食べてはいけないのである。
ある人は、まず「うまかー」といって食べはじめるという。
日本人は右にならえだから、回りにいる人はさすがにまずいとはいえなくなる呪文である。

信じて食べれば、まずいものでもうまくなる、となったらほとんど宗教〈ちょうみりょう〉であるが、
自分で、自分の食い物を作ったことがない庵主としては
目の前に食い物があるということだけでも感謝以外の何物でもないのである。
できれば、うまいものを作ってほしいというのはささやかな願いでしかない。

お酒はあてがいぶちで、自分では造ってはいけないということになっているから
庵主の注文に容赦はないのである。まずい酒はまずいとはっきりいう所以である。
うめぇー。今日呑んだお酒の中では一番うまい、と満面に笑みを浮かべて言うのである。
もっともこれまでのお酒生活の中では今日が最悪だけど、とそれは心の中でつぶやくのである。
by munojiya | 2009-05-28 00:30 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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