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辛口

日本酒の味を甘口と辛口に分けることがある。
この言葉が問題なのである。
今の若い人は辛いというと、唐辛子のような辛さを思い浮かべるという。
醤油味のみたらし団子も辛いというが、塩辛いという辛さが念頭にないのである。

そういう庵主もお酒の辛口が分からなかったのである。
甘口はわかる。甘味のあるお酒である。子供心には甘いのだからうまいのだと思った。
それに対して辛口のお酒というのは、どんな味なのか想像ができなかったのである。
さすがにタバスコみたいな味かなとは思わなかったが、どんな味をいうのか分からなかった。

実は、いまでも分からないのである。
一応、日本酒度で-(マイナス)が甘口、+(プラス)が辛口というのは理解している。
しかし、実際に呑んだときには+だからといっても必ずしも辛いとは限らないからである。
よく出来たお酒なら却って甘いと感じるものが少なくない。そういうお酒がうまいのである。

庵主が辛口という言葉で思い描くお酒は、一つにはアルコールくさいだけのスカスカの酒。
二つは、ちっとも甘いところがなくて味わうだけの楽しみがない酒。
三つは、要するにうまくないお酒である。できそこないの酒とまでは思わないけれど。
辛口批評ということがあるから、辛口とは相手に親しみを感じないという意味なのだろう。
by munojiya | 2009-06-04 00:58 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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