余外篇 顔のない人
コンピューターグラフィックのことである。
疑似画像のことである。ありえない映像のことである。
実写が本物だとすれば、ニセモノである。
それが実用化されてから、映画が面白くなくなった。映像としてはつまらなくなった。
またCGだろうということで、映像から感動がなくなったからである。
要するに、撮影の現場でいうならばそれは手抜きということである。
日本酒 でも、アルコールを混ぜて、ハイお酒とやっちゃった人達がいる。
たしかに、アルコールだから酒には違いないが、なんとなくつまらないのはそのせいである。
この歳になってニセモノを見せられてもちっとも面白くないということなのである。
若いうちは、それが楽しいのである。ロボットに夢を見るのである。
人間そっくりのニセモノ造りに夢をはせるのである。そんなものは、むなしいだけなのに。
金正雲。北朝鮮の次期独裁者だというが、その顔がなかなか出てこないのである。
多分それは実在しないバーチャルな人物じゃないのか。
いま、一生懸命CGでその顔を造っている最中なのではないのか。
映画が大好きだという金正日のCGセンスを今期待して待っているところである。